治安対策などの強化に向けて、自民党の高市前経済安全保障担当大臣らは、石破総理大臣に提言を手渡しました。日本は諸外国と比べてスパイ行為への対策が不十分だとして、法整備を検討することなどを求めています。
治安やテロ対策などを議論する自民党の調査会の会長を務める高市前経済安全保障担当大臣らは、27日、総理大臣官邸を訪れ、石破総理大臣に提言を手渡しました。
提言では、国境を越えて犯行に及ぶ犯罪グループの動向なども念頭に国内の治安を守るための対応力「治安力」を強化する必要性を指摘しています。
具体的には、日本は諸外国と比べてスパイ行為への対策が不十分だとして、法整備の検討を求めているほか、外国勢力による偽情報の拡散への対処能力に加え、情報収集・分析能力の向上なども図っていくべきだとしています。

石破総理大臣は「偽情報への対応は急いで取り組まなければならないし、インテリジェンスの強化も問題意識を持って検討していく」と応じました。

申し入れのあと、高市氏は記者団に「日本は包括的に外国勢力によるスパイ行為に対処できる法律がなく、防止法は必要だと考えている。政府には検討をお願いしたい」と述べました。
林官房長官「必要な取り組みの充実と強化に努める」
林官房長官は、午後の記者会見で「いわゆる『スパイ防止法』の必要性などについてはさまざまな議論があるが、政府としては、わが国で外国の機関による情報収集活動などが行われているとの認識に立ち、国の重要な情報などの保護を図るべく対策を講じている。違法な情報収集に対しては捜査当局が法令を適用し、厳正な取締りを行っており、引き続き、さまざまな観点から必要な取り組みの充実と強化に努めたい」と述べました。