人気漫画「鬼滅の刃」を狂言師・野村萬斎さんが演出を手がけ能狂言にした舞台が若い世代の観客を集めて異例の人気となっています。

漫画「鬼滅の刃」を能狂言にした舞台は、全国の主要都市を巡回中で11日、大阪の大槻能楽堂には原作ファンを中心に若い世代が集まりました。
物語は漫画でも人気の「無限列車編」と「遊郭編」で、主人公の竈門炭治郎や柱の煉獄杏寿郎などに扮した能楽師と狂言師がキャラクターにあわせた装束で登場し、名場面を演じました。

鬼と全力で戦うおなじみの場面では、能楽師の大槻裕一さん演じる炭治郎たちがお囃子にあわせて厳かに舞いながら、能面をつけた鬼と対じしました。
舞台の演出を手がけた野村萬斎さんは女装した敵役の「無惨」を演じ、客席から現れた手下の鬼を懲らしめるなど従来の能楽にはない光景に会場が沸きました。
能狂言「鬼滅の刃」はもともと2022年に初演され、今回はその続編です。

主催者によりますと、全国の主要都市で20回にわたる公演が予定されていますが、チケットは希望者が多いため、抽選で販売されるなど能楽公演としては異例の人気となっています。

野村萬斎さんは「もともと能狂言はその時代に流行しているものを取り上げてきたので、今回の作品もいずれ古典になるといいなと思います。能楽は物語の内容を知っていれば、見る人の思い入れが反映される芸術でこれを機会に古典も見てほしい」と話していました。