제목   |  [04/09] 路面電車を活用したまちづくり 半年経ってどうなった? 작성일   |  2024-04-04 조회수   |  18598

路面電車を活用したまちづくり 半年経ってどうなった?

 

 

栃木県宇都宮市に去年8月、LRT(次世代型路面電車)が開業しました。国内で新たな路面電車が開業したのは実に75年ぶり。すべての線路を新設したLRTの開業は、全国でも初めてです。開業から半年以上。利用者は順調に伸びている一方、意外な課題も見えてきました。(宇都宮放送局記者 梶原明奈)

 

日常に定着したLRT

LRT(次世代型路面電車)とは、英語の「Light Rail Transit」の略称で、従来の路面電車よりも床が低く、振動や騒音を抑えた新しいタイプの公共交通システムです。

宇都宮市などにLRTが開業したのは、去年8月。JR宇都宮駅東口から隣の芳賀町の工業団地まで、約14.6キロの区間を結んでいます。

走行する車両は、1台が3両編成で、長さは30メートルほど。バリアフリー仕様となっていて、車いすやベビーカーが利用できるスペースも設けられています。

バスより多くの乗客を一度に運べることから、欧米の都市部では数多く見られ、国内では富山市などで導入されています。

利用者数は順調に伸びています。平日の利用者数は、1日1万2000人を超えて当初の想定どおりとなっている一方、土日祝日は想定の2倍を超える1万人前後にのぼっています。

 



通勤や通学の手段として定着してきたほか、日々の買い物や食事などの移動手段としても、多くの人に利用されるようになっています。

まちづくりのカギ握るLRT

全国でも初めてだという、すべての線路を新設したLRT。宇都宮市がLRTを導入した背景の1つには、移動手段を車に依存しがちな地方都市ならではの課題がありました。

栃木県は、1世帯あたりの車の保有台数が全国で5番目に多く、このまま高齢化が進むと、運転が難しくなって、外出しなくなる人が増えると懸念されています。

また、人口減少や少子高齢化を背景に、中心市街地の空洞化も深刻です。

市の調査によると、JRなどの宇都宮駅周辺の通行量は、1985年のピーク時には1日およそ19万人でしたが、5年前の2019年にはおよそ3分の1にまで落ち込んだということです。

こうした課題を解決しようと、市が打ち出したのがLRTを軸とした「ネットワーク型コンパクトシティー」という構想です。

都市の中に、人が集まりやすい「拠点」を設けて互いを公共交通機関で結び、都市の機能を拠点に集約していくことで、車だけに頼らず、誰もが移動しやすいまちづくりを目指そうという考え方です。

このため市は、沿線に住む人だけでなく、離れた地区の住民もLRTに乗り継げるよう停留場を中心にバス路線を再編。さらに乗り合いタクシーなどの地域内交通も整備しました。

定時制にすぐれて大勢を運べるLRTが市内の交通の「動脈」を担う一方、路線バスや地域内交通は「毛細血管」の役割を果たし、互いに乗り継ぎがしやすい環境を整えたのです。

宇都宮市が進めるLRTを軸とした新たなまちづくりは、国内外で注目され、全国の自治体や海外からの視察は、すでに300件を超えているといいます。

暮らし変わった人も

沿線に住む77歳の阿久津正躬さんも、LRTの開業によって生活が大きく変わった1人です。

以前は自宅から10キロ以上離れた病院に車で通っていましたが、近い将来、運転が難しくなると考え、LRTを利用するようになりました。

開業から半年以上がたち、今では地域の集会などのちょっとした外出にも、公共交通機関を使うようになったといいます。

阿久津正躬さん
「LRTの開業は本当にありがたいです。これからマイカーに乗れない年齢になっていきますから、こういう基幹となる公共交通機関を利用して、運転はなるべくしないようにしています。周囲の人にもどんどん勧めていきますよ」

見えてきた課題は“乗継ぎ”

LRTの乗客数は順調に伸びている一方、開業から半年以上がたって、新たな課題も見えてきました。周辺の路線バスや乗り合いタクシーを利用して、LRTに乗り継ぐ人が伸び悩んでいるのです。「動脈」を担うLRTと、「毛細血管」にあたる路線バスや地域内交通との接続がうまくいっていないのです。

その理由の1つは、路線バスの運行本数の少なさです。宇都宮駅から10キロほど東に離れた清原地区のバスは、1時間に1本ほど。

この地区では、市が3年後の目標に掲げている「平日1680人」という利用者数に対し、これまでのところは1148人と、4分の1以下にとどまっています。

もう1つの理由は、公共交通機関を乗り継ぐことへの抵抗感です。地域内交通の乗り合いタクシーついて市民に尋ねたところ、「時間待ちや予約が面倒くさい」「自分で運転してしまった方が早い」などの声が、多く聞かれました。

複数の電車やバスを乗り継ぐのが当たり前となっている大都市と違い、地方都市では自家用車で直接、目的地に移動する人が多く、乗り継ぎに慣れていない人が多いのです。

宇都宮市は、今すぐバスの本数を増やすことは難しいものの、市民に少しずつ乗り継ぎに慣れてもらいたいとして、乗り継ぎ料金の割引制度などを始めています。

宇都宮市 交通政策課 田代卓也課長
「公共交通を乗り継ぐことに抵抗感を感じている市民が多くいらっしゃいます。今後、バス路線や地域内交通をより便利にしていくことによって、少しでも多くの住民にLRTと乗り継いでもらう環境を整えていきたいです。」

利用促進の取り組みは地域住民からも

開業したばかりのLRTを積極的に利用していこうという動きは、行政や企業からだけでなく、地域の住民からも出始めています。

路線バスや地域内交通の利用が伸び悩んでいる清原地区の自治会では、乗り合いタクシーとLRTを乗り継いで、宇都宮駅周辺を散策するツアーを計画しています。

この自治会では、ふだんから地域のお年寄りなどが集まって、交流を深めています。これまでにも、高齢で車の運転が難しくなった人を誘って買い物に出かけたり、大勢で花見を楽しんだりするイベントなどを数多く開いてきました。

自治会の中心となってイベントを企画してきた黒崎芳子さんは、地域の住民が、いつまでも元気であり続けるために、LRTを上手に利用していきたいと考えています。

清原自治会 崎芳子さ
「LRTに乗ろう、乗り継ぎをしようと言われても、ひとりだと最初は不安ですよね。だから、まずは試しに友達と乗ってみましょう、それが第一歩だと思っています。自宅にこもってる人も、どんどん表に出てきて、いろいろな場所に行けるようになり、みなさんが元気になっていけばいいと思っています」

息の長い取り組みの行く末は

宇都宮市のまちづくりに携わってきた都市計画の専門家は、公共交通機関を中心としたまちづくりの取り組みの成果は、短期間ではなく、長い時間をかけて少しずつ現れてくると指摘しています。

早稲田大学 社会環境工学科 森本章倫 教授
「公共交通機関の利用や乗り継ぎに慣れていない人にとって、最初は戸惑うこともあると思いますが、利用者が徐々に増えていくことで住民がメリットを感じるようになり、やがてLRTが生活習慣の中の一部に入っていけば、宇都宮の人々の考え方も緩やかに変わっていくと思います。

LRTに対しては様々な意見がありますが、間違いなく、日本全体で注目されているプロジェクトの1つだと思っています。

宇都宮を日本でいちばん最先端のまちにしたいと思っていますし、そのポテンシャルは十分にあると感じています」

LRTはこの春のダイヤ改正で、41日から朝の時間帯の快速運行を始めるなど、利便性の向上に向けた取り組みが進んでいます。

また沿線では、すでに住宅地の開発が進んで人口が増加するなど、まちづくりの成果も見え始めていて、宇都宮市は今後、2030年代前半を目標にLRTをさらに延伸させる計画も進めています。

人口減少や少子高齢化。そして中心市街地の空洞化。宇都宮市が直面するこうした課題は、全国の多くの地方都市も抱える課題でもあります。

市がLRTとともに目指すまちづくりは、同様の課題に直面する地方都市のヒントとなるのか。行政や市民の取り組みに、全国の関係者の視線が注がれています。

(3月4日 おはよう日本で放送)

 

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240402/k10014410131000.html

 

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